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【短編小説】汚した床と普通の床

 冷蔵庫に食べ物がなかったので、ものぐさな私は普段は行ったことのないレストランに行ってみた。

「きゃああああああ」
 ガッシャーンという音とともに悲鳴が聞こえ、そちらに目を向けて見れば若いウェイトレスが派手に転んでいた。持っていたトレーは幸いにも食べ終わった後のモノのようだが、スープが残っていたのか辺り一面みずびだしだ。
 すぐに店長の叱責が飛んでくるかと思いきや、いつまで経っても怒号は聞こえない。そればかりか周りの客は彼女を眺めてニコニコ見守っているばかりだ。件のウェイトレスは「すいません、すいません」と謝って床を掃除し始めている。
 不思議に思っていた私に隣の客が説明した。
「彼女はこの店の名物さ。彼女のおかげで床はピカピカなんだ」
 彼女自身は気付いてないけどね、と客は続ける。そう言われて床を見てみれば、確かに床はピカピカだ。
「だから この店では汁物を残すのがマナーなのさ」
 そう言ってその客はスープを残して店を出た。私もラーメンのスープを飲むつもりはなかったので、やむなく そのまま店を出る。
(強く生きろ……)
 再び悲鳴をあげたウェイトレスに私はそう思わずにはいられなかった。


 数日後。またも冷蔵庫の食べ物がなくなった私はこの間のレストラン……の隣のレストランに入ってみた。

「いらっしゃい」
 今の時間帯は絶好の稼ぎ時だと思うのだが、どうやら私の他には客がいないようだ。不思議に思っていた私に店長が説明する。
「隣のレストランに客を持ってかれてるのさ」
 おかげでアルバイトを雇う余裕もないよ、と店長は続けた。言われて店内を見渡せば、確かに客だけでなくアルバイトもいないようだ。
「隣のレストランの繁盛の秘訣を知りたいよ」
 そう言って店長は厨房に去っていく。私は思わず床を見てしまった。


 ◇◆◇◆◇


 例えば……ですが、著者は普段から「床を水拭きしよう」と思うほど掃除に熱心ではありません。
 ですが今日はうっかりみそ汁をこぼしてしまい、とりあえず近くを水拭きしました。
 その事象の前後……正確には『何もしない床』と『汚してしまった床』では後者の方がキレイになるのが不思議だなと思ったのでそれをネタにしてみた感じです。

 人間って『いつでもできること』ってのは後回しにしちゃうんですよね。「部屋をキレイにしよう!」と思った次の瞬間には「ま、いつでもできるか」となって何もやりません。
 しかしきっかけ……つまり『今やらなければいけない理由』ができれば やる気になるんですよね。ちょうど「汚した床は悪化する前にキレイにしよう」みたいな例です。

 更新を待たせているのでちょうどいい場つなぎになったかと思いますがどうでしょうか。
 明日は更新する予定です。
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