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AB! 第一話「Departure」1/4

 月がよく見える夜。オレは固い地面の上で仰向けに転がされ、そこで目が覚めた。
「ココは……どこだ?」
 適当に首を巡らせれば見慣れない校舎やグラウンドが見える。オレはどうしてココにいるのかを思いだすべく、寝ぼけた頭で記憶を辿ろうとした。
 ……。
 …………。
「何も思いだせない……」
 オレはどうなってしまったんだろう。これからどうすればいいのだろう。そんな時、オレは突然に声をかけられた。
「目が覚めた?」
 声のした方向……自分の足の向こうを見たら制服を着た赤い髪が見える。彼女は背を向けているにも関わらず、オレが上半身を起こしたタイミングで振り返って言った。
「あんた……」
「ようこそ、【死んでたまるか戦線】へ」
 それがこの世界で出会った初めての人間、ゆりとの出会いだ。

「あの……」
「唐突だけど、あなた入隊してくれないかしら?」
「へ……入隊……?」
 ココはどこか質問しようとした矢先に意味不明な質問をされ、オレは随分と呆けた声を出したと思う。彼女は再び前を向いたからか、オレを気にせずに言った。というか、よくみたら冗談か何かかその女はライフル銃を構えているようだ。
「ココにいるってことは、あなた……死んだのよ」
「はぁ?」
 オレは怪訝な声を出した。死んでいるのならココにいるオレは、そしてアンタは、一体なんだというのだろうか。
「あの、よくわからないん……」
「ココは死んだ後の世界。何もしなければ消されるわよ」
「消される……誰に?」
「そりゃ神様でしょうね」
 彼女はあっけからんと言った。オレは本来 聞き出したいことは忘れ、目の前の分からないことを質問する。
「じゃあ入隊ってのは何?」
「【死んでたまるか戦線】によ。まあ部隊名はよく変わるわ。最初は【死んだ世界戦線】……『でも【死んだ世界戦線】って死んだことを認めてることになるんじゃね?』ということにより破棄、以降 変遷を続けているわ」
 それから彼女は訊いてもいないのに【死んでたまるか戦線】の名前の歴史について語り始めた。……どうでもいい。
 一通り聞いて彼女が満足した所へ、俺の疑問は彼女の持っている黒光りする物騒なモノへとぶつけていた。
「えぇっと……それって本物の銃?」
「……。ココに来た奴はみんなそんな反応するのよね……」
 彼女はため息まじりに言った。しかし日本では銃刀法違反だ。ココは外国の学校にも見えないし、オレの疑問は極めて普通だったのだろう。そして前に質問した奴も普通だったに違いない。
 彼女は銃を構えなおして言う。
「順応性を高めなさい。あるがままを受け止めるの」
「受け止めて……どうすればいいんだよ」
「戦うのよ」
「何と?」
「あれよ」
 彼女が指をさしたのでその先を見てみた。どうやらグラウンドのところに誰かがいるようだ。
「あれが【死んでたまるか戦線】の敵――――【天使】よ」
 暗いし遠目からではよくわからなかったが長い銀髪が見える。女子生徒のようだ。
「……やっぱ【死んでたまるか戦線】はとっとと変えたいわ。あなた、考えといて」
 アレが【天使】? 頭の輪も無ければ純白の翼もない。どう見たって普通の女の子じゃないか。何いってんだコイツ。
「あのさぁ、向こう行っていいかな?」
 オレはとうとう我慢できずにそう言うしかなかった。
「はぁ!?」
 しかし それを聞いた彼女は振り返って烈火ごとく怒り出してオレに詰め寄る。
「なんで!? わっけわかんないわっ! どうしたらそんな思考に至るの? あんたバッカじゃないの!? いっぺん死んだら!?」
 そこまで言い切った彼女は一呼吸おいた。そして冷静にきりだす。
「……これは死ねないこの世界でよく使われるジョークなんだけど、どう? 笑えるかしら?」
 彼女の剣幕に気押されたことを隠しつつ、冷めた口調で開き直ったように言ってやる。
「じょ、ジョークの感想はいいとして……。少なくとも銃を女の子に向けてる奴よりはマトモな話ができそうだからさぁー」
 そう言うと押し黙ってオレの目をジッと見つめ、少し考え込んだかと思うと急に立ち上がった。
「あたしはあなたの味方よ。銃を向けるなと言うなら銃を向けないわ。あたしを信用しなさい」
 そう言われてオレはふてくされたような態度を少し改めざるを得なかった。マトモかどうかはおいといて、彼女はオレにココの情報をくれているからだ。
「おーい、ゆりっぺー」
 しかし そんな雰囲気をぶち壊すように軽薄そうな男の声が聞こえた。視線を向ければ、青い髪で彼女と同じく制服を着つつも銃を首からぶら下げているというアンバランスな格好の男が駆け寄ってくる。
「新人勧誘の奴はどぉーなってんだ?」
 どうやらオレの事は知っているようだった。というか知らせてる暇が部屋に運んで欲しかった……というのは贅沢な願いだろうか。
 駆け寄ってきた彼はオレに気付かないようにしゃべる。
「人手が足りねぇ今、どんな汚い手を使ってでも……ん?」
 そこでオレに気付いたように言葉を止めた。ゆりっぺと呼ばれた赤い髪の彼女を見てみれば、諦めたように手を頭にあててうなだれている。
「……あれ?」
「オレ向こう行くわー」
 いちおう礼儀として、声をかけてから歩き出す。その後ろで「ぎゃー、勧誘に失敗したーっ」という声が聞こえてきたが無視した。
 ゆりっぺと呼ばれた彼女が嘘をついているとは思えないが、新たに現れた男は「汚い手を使ってでも」とか言っていた。オレには分からない話だったし、訳がわからん。なんなんだ、アイツら。

 オレはそのまま歩みを進めて【天使】と呼ばれた女子生徒の所へ向かった。
「あの……」
 そう声をかけたらその女子生徒が振り返って目が合う。声をかけてから何を言えばいいのか迷ったが、無難に挨拶から入ることにした。
「あぁー……こんばんは」
 夜に男が声をかけるのが悪いような気がして、とりあえず先ほどの出来事を話すことにした。
「えぇと……アンタ、銃で狙われてたぞ。アンタが天使だ~とかなんとか言って」
 自分でおかしなことを言っている自覚はあったが、その女子生徒は疑う風でもなく純粋に首を傾げていた。そして静かに言う。
「私は天使なんかじゃないわ」
 その声は寡黙な雰囲気をまとっていた。背が低い身長も相まって『おとなしい子』という印象を受ける。
「だよなぁ……。じゃあ……」
「――生徒会長」
 オレは言葉を遮られてその言葉を理解するまでタイムラグがあったが、数瞬後にため息をつかざるを得なかった。
「はぁ……阿呆だオレは。あの女にからかわれてたんだ。クソっ! 自分が誰かも分からないし……」
 そこで目の前の生徒会長を忘れていたことを思い出して愚痴を止めた。少なくともこの子は関係ない。
「ふぅ……病院にでも行くよ」
「病院なんてないわよ」
「へ?」
 オレはその言葉を聞いて足を止めざるを得なかった。
「……どうして?」
「誰も病まないから」
「病まないって……?」
「みんな死んでるから」
「……え?」
 病まないから病院がない? ……ふざけてるのか?
 ――誰も病まない? じゃあどうして×××は!?――
 何かを思い出しかけた気がしたが、すぐに忘れ去ってしまった。しかし目の前の女も記憶のないオレを騙そうとしていることだけは分かった!
「あぁ、分かった! お前もグルなんだな! オレを騙そうとしてるんだろ。なんだぁ、この記憶喪失もお前らの仕業かぁ!?」
 オレの怒った態度にもうろたえず、女は淡々と告げる。
「記憶喪失はよくあることよ。ココに来た時は……事故死とかだったら、頭もやられるから」
 その態度にオレは適当にあしらわれてると思い、ますます激怒した!
「じゃあ証明してくれよ! オレがもう死んでるからもう……死なない……って……?」
 オレがそう言い切る前に目の前の生徒会長はこちらに一歩一歩、歩み寄ってきた。その歩調に合わせて俺も後ずさってしまう。
「――ハンドソニック――」
 彼女がそう告げた時、不可思議な現象が起きた。彼女の手に青く輝く光の剣が手から生えたのだ!
「へ?」
 そんな異常事態を目の前に、オレは思わず呆けてしまう。

 その隙をつかれ、オレは心臓を一突きにされた。

 ◇◆◇◆◇



 ※以下後書き、ネタバレ注意※
 追記:白くしますのでドラッグしてお読みください。




 というわけでAB!はどうでしたでしょうか?
 2時間かけて書いたたのにアニメの尺で4分! まあ読む時間がどれくらいかは個人差はあるでしょうけどね?
 3000文字書いたのは久々だなぁ……(遠い目)。
 というかアニメ尺24分中の4分を1/3と称していいのかどうかは不明w
 とりあえず会話はすごく気を付けました。著者自身がすごく2次創作が嫌いなので……。とりあえずアニメにないセリフはいれないことにしてます。省くことはあってもですね。
 その代わり、音無君の主観をものすごくいじくり倒した感じがしますw 作品中の心の声は全て入れましたが、どうでしょうか? 原作者の方から見て、違和感はないでしょうか?
 そういえば小生意気にも伏線っぽいものを1つ入れてみました。著者が伏線苦手なので「入れてみよう」と思って勝手に入れた奴です。回収する気はないので各々で見つけてくださいw だいぶ先になりますけどw

 まあ今回はお試し版ということで、これの評価で連載を続けるか決めようと思います。
 でも著者的には日本人の髪色が黒茶金じゃなかったら普通に驚くと思いますが……。流石key主導と言いますか、リトバス!やらD.C.と同じように髪色はフリーダムですねww
 原作にはありませんが「この世界では髪の色は自由なのよ? あなたもやってみる?」「……いや、オレは遠慮しとくよ」という会話文をどっかに入れたいw

 いやそれにしても、あの数のキャラを小説で表現するんでしょうか。
 今更ですが不安になってきましたw


 次回→AB! 第一話「Departure」2/4
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エンビーですか(*_*)
集めたいんですがクドわふたーはいらないんですよね…、



突然ですが…、3色デッキってどう思います?
やはり2色デッキの方がいいんですかね?

コメントありがとうございます

> エンビーですか(*_*)
> 集めたいんですがクドわふたーはいらないんですよね…、

 まあ確かに、2タイトル同梱のエキスパンションは対処に困りますよね^^;
 ですがAB!もエクストラパックが出るようで。そっちで期待に応えてもられば……!w

> 突然ですが…、3色デッキってどう思います?
> やはり2色デッキの方がいいんですかね?

 3色デッキを使ってる著者に言いますか……ではなくAB!の話ですよね。
 今の所エクストラパックが出ていないので「現段階で」という前置きをさせてもらいますが、少なくともレベル0のクドは優秀ですので入れて損はないと思います。AB!のレベル0は主力アタッカーがいないと言っても過言でないほどアタッカー不足してますからね……。それ以外の理由ならいらないでしょうねぇ。

No title

この記事とは関係ないのですが、 
今さらアイマスのエクストラが欲しくなってきました。
だけどパックは売っていない、シングルで集めるにも 
ALIVEが1枚1000円とか学生に出せる金額じゃありません。
 
こんな愚痴みたいなことコメントしてごめんなさいm(__)m

それとABの小説はあまり違和感もなく
面白かったです。
ぜひ、これからも続けてください。

コメントありがとうございます

> この記事とは関係ないのですが、 
> 今さらアイマスのエクストラが欲しくなってきました。
> だけどパックは売っていない、シングルで集めるにも 
> ALIVEが1枚1000円とか学生に出せる金額じゃありません。
> こんな愚痴みたいなことコメントしてごめんなさいm(__)m

 地元大会常連の方もアイマスのエクストラが売っていないと愚痴っていました。こちらの[ALIVE]は700円だそうですが、どちらにしても高いですね。
 著者はアイマスのエクストラが残ってた時代に少ない資金をやりくりして1~2ボックス買った覚えがあります。本当はシングルで揃えたかったんですが、相場はご存じの通り……。
 やはりエクストラパックのシステムはよくないですよねー。最近のエクストラパック(B★RSや刀語など)はエクストラブースターなるものにして初回生産のみというくくりを無くしてるようですけど、やっぱり昔のカードも必要なのはありますし。……再販を祈るのみ、ですね。
 関係なくても愚痴っぽくてもコメントはオッケーですよ。気にしないでください^^

> それとABの小説はあまり違和感もなく
> 面白かったです。
> ぜひ、これからも続けてください。

 おぉ、賛成票1ですね。もしやるとしても時間の関係上で間隔がすごくあいちゃいそうですが、やるとしたら完結を目指したいと思います。

No title

最後のドラッグのシステムが活気的すぎる!!!

こんにちわ♪
AB全部みましたよ~

まぁあれは言い終わり方なんでしょうね
みんながドンドン消えていくとこは涙でましたが・・・
ユイとかとくに

だからネオスタンを組みたいとも思いましたが、クドわふが邪魔・・・ということで買いませんでしたね
すっごく良い話だし、本当にキャラも良いキャラばかりで

テストのときの椅子が天井にドンみたいなときとかもかなり笑えましたし
トラップに引っかかって、「い~つ~も ひとりで♪」みたいなBGMかかるシーンとかギャグもかなり素敵でした。

本当にKEY作品はいい作品ばかりです♪

いじょうです^^

コメントありがとうございます

> 最後のドラッグのシステムが活気的すぎる!!!
> こんにちわ♪
> AB全部みましたよ~

 こんにちは~。
 むしろ色変え機能があったのに今まで気づかなかったのがアホでしたw まあネタバレ要素なんて今までなかったですけど……w。
 AB!いいですよねー。

> まぁあれは言い終わり方なんでしょうね
> みんながドンドン消えていくとこは涙でましたが・・・
> ユイとかとくに

 そ、それはネタb……いやしかし、カードですでにネタバレですよね。RRかなでとかもう(ry
 ユイの時の日向もカッコ良かったですけど個人的にはやはりラストシーン。音無が切なすぎる……。

> だからネオスタンを組みたいとも思いましたが、クドわふが邪魔・・・ということで買いませんでしたね
> すっごく良い話だし、本当にキャラも良いキャラばかりで

 本当にクドわふと同居はありえませんでしたよね。あっちのキャラは足りてないかもしれませが、AB!はむしろキャラが溢れてますもんねw いやクドわふを否定している訳ではなくてですね。
 エクストラに期待まる

> テストのときの椅子が天井にドンみたいなときとかもかなり笑えましたし
> トラップに引っかかって、「い~つ~も ひとりで♪」みたいなBGMかかるシーンとかギャグもかなり素敵でした。

 あれは笑いのシーンで一番おもしろかったですw しかしヴァイスの[推進エンジン]は使いづらいですよねーorz

> 本当にKEY作品はいい作品ばかりです♪
> いじょうです^^

 keyはリトバス!しかやったことないですけど、良いですよね。しかしゆりと沙耶がかぶってるような気がするのは気のせいでしょうか?w
 それではまた。
プロフィール

ビークル@ザマソー小説部

Author:ビークル@ザマソー小説部
 ようこそ!管理人のビークルです。
 このページはヴァイスシュヴァルツ好きによる、ヴァイスシュヴァルツの解説ページです。
 初心者、中級者、上級者。どんな方にでも楽しめるブログを目指したいと思います。
※コメントや掲示板への返信内容は、後日 記事になる場合があります。あらかじめご了承ください
※掲示板→http://beeclezamaso.blog136.fc2.com/blog-entry-372.html
※週一ペースで頑張り中

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