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【短編小説】短冊の裏には

「そーいえば今日は七夕かー」
「まあな」
 彼女の視線の先には幼稚園生がむらがる笹がいくつか点在していた。どの笹もいろとりどりの短冊をつけていて遠目には華やかに見える。
「まあな……って覚えてたの?」
「ウチには小学生のガキがいるからな。昨日からリビングの笹が邪魔でしかたねぇ」
 部屋の隅にでもおいとけばいいものを目立つ所におきたがるのがお子様だ。テレビの前で笹の葉がヒラヒラ邪魔だったから忘れるはずもない。今日はガキが寝たらすぐに片付ける予定だった。
 俺に言われてなにか考えていた彼女だったが、とうとつに声をあげた。
「じゃあさ、せっかくだし短冊かこうよっ! たんざくっ!」
「はぁ? 正気か?」
「もぉー、せっかくの1年に1回のイベントなんだよ! 楽しもうよっ」
「アホか」
 頬を膨らませて怒ってみせる彼女を一蹴して置いて歩き出した。イイ年してそんなことできるかっつーの。アホらしい。

 ◇

「お邪魔しまーす」
「いらっしゃい、ゆっくりしていってね」
 けっきょくウチまで付いてきてあがりこんだ。どうでもいいが、彼女とお袋は仲がいい。どうせ玄関先で話しこむから、俺はとりあえず台所へ向かう。そして彼女に頼まれた。
「あ、私にも麦茶ちょうだい」
「へいへい……」
 麦茶を2つ持ってリビングに行ってみれば、すでにテーブルには短冊が広げられていた。彼女とお袋はそれぞれ青い短冊と赤い短冊を手に悩んでいた。俺は呆れてため息をつきながらイスに座った。
「子供か……」
「あ、麦茶ありがと」
「あら、気がきくのね」
「あ、それ俺のっ!」
 俺が手を伸ばした時にはすでに遅し。俺の麦茶はすでに半分になっていた。「ごめんね~」と悪びれた様子がないお袋に一瞥くれてやりつつ残った麦茶を一気飲みする。……損した気分だ。
「それでお願い事は考えた?」
「はあ? なんでだよ」
「なんでって……ほらっ!」
 彼女はじゃーんと言いたげに手を俺の手に差し出した。握らされたものをみてみればペンと俺の名前が書き込まれた緑の短冊がある。
「…………」
 俺はそれを破り捨てたい衝動にかられたが、彼女の後ろで母親が首を切るジェスチャーを見て思いとどまった。この短冊に何かを書かなければ次の小遣いがなくなる。ウチのお袋はおだやかな見た目に反して、やることはえげつなかった。
 ……とはいえ何も考えてない。適当に書いておこう。
「よし書けた。これでいいだろ」
「え、なになに?」

『せかいせーふく』

「もう! マジメに考えてよっ!」
「アホか。もともと俺にはやる気がねぇんだよ」
「ダメ! もう一度!」
 そういって短冊を握らされる。……しかたない、マジメに考えるしかなさそうだ。

 ◇

「にーちゃん、コレ部屋にもってっていい?」
「ん? あぁ、好きなだけ持ってけ」
「ありがとっ!」
 彼女が帰って夕飯のあとにテレビを見てる時、ガキに声をかけられた。いつもなら適当に追い払うのだが笹を手にしてるのを見てそういった。これで心おきなくテレビを見れる。
 どうでもいいが俺の記憶が正しければ、青い短冊には『5キロダイエット』、赤い短冊には『海外旅行に行きたい』、黄色い短冊には『新しいゲームが欲しい』、緑の短冊には『不老不死』と書いてあったはずだ。親父の胃と財布を苦しまさせる短冊にくらべれば、俺の短冊はやさしさに満ち溢れているだろう。叶いもしないけどな。
「お風呂わいたけど入る?」
「今はいい」
「じゃ、先に入るね」
 それには答えず、夢中になってドラマを見ていた。やはり邪魔するものがあるのとないのとじゃ大違いだ。やっぱり笹はリビングに、ましてやテレビの横に飾るもんじゃない。
 そのドラマが終わってしばらくするとお袋とガキが風呂からでた。俺もざっと風呂に入って部屋に戻る。
「……ん?」
 廊下に何かおちていた。拾ってみると青い短冊のようだ。確かこれは彼女が書いたやつだっけ? 確認しようと内容を読んでみた。
『ずっとあなたの隣にいたい』
 ……こんなことを書いた奴はいないよな? そう思って裏返してみると『5キロダイエット』という言葉とともに彼女の名があった。どうやら裏に書いていたらしい。やれやれ。
「アホか。今までずっと一緒にいたろ……」
 顔が熱いのは風呂上がりだからだと思いたい。

 ◇◆◇◆◇

 「小説の題材に七夕はどうですか? 小説も読んでみたいです」とメールを頂いたので3時間で適当に書いてみました。これとは別に更新があるのでご安心を。
 とは言え、2000字程度の小説は専門ではない上に3時間ではまともなネタが思いつきませんでした……orz メール頂いたの21時ですしねw
 いろいろと心残りですが、七夕ネタを後日修正ってのもカッコ悪いですし、これはもう修正しないで放置かな……w

 駄文失礼しました。
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